鳴子温泉郷8湯巡り

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2020/08/08

あふれる風景~鳴子温泉郷(宮城)1985年4月19日

4月6日から始まった「湯ートピアNARUGO温泉テーリング」(8月25日までの毎日午前10時~午後3時)に参加するため鳴子駅前の観光案内所へ。テーリングは参加料3000円で鳴子温泉郷の8湯に入浴できる企画、受け付けしようとしたら、まだ企画のスタンプ帳や手拭いができていない。企画スタートから1週間以上経つというのに、まだ誰も参加していないのか。戸惑う女性職員は、偉い人?町観光協会常任理事に連絡。駆け付けた理事は不手際を謝り「無料で8湯まわってください」と粋な計らい。パンフレットから8湯をピックアップ。その8湯には観光協会から連絡を入れておくという。運がいいのか悪いのか無料で入浴できることになった。①吹上②中山平③川渡④東鳴子⑤鳴子4旅館の順序でまわることにした。約5時間の短時間勝負だ。

①吹上「峯雲閣」。早速連絡が届いていたようでスムーズに入浴。以前入った川の滝つぼは雪解け水が多くぬるくて断念。内湯と露天風呂で我慢する。聞えるのは滝の音だけ、朝から贅沢な時を過ごす。鬼首間欠泉のある「かんけつ荘」(入園料250円)に立ち寄り見学コースにある大きな露天風呂に入浴。庭園の大池という感じだが湯は適温で開放感たっぷり。以前は観光客が多くて入る勇気がなかった。

②中山平にある約15軒の旅館は湯治宿。道から見えた「東蛇乃湯」台所では湯治のお年寄りたちが昼食の支度中、会話や食器の音がにぎやかだった。訪ねたのは「元蛇乃湯」。近代的建物の奥に時代に取り残されたような木造の外湯がある(写真上)。ドアを開けるとおばさん2人が入浴中。迷った末、一緒に入らせてもらう。石を配した大きな湯舟、緑掛かった湯は熱くアンモニア臭がする。ぬるぬるしていて滑りやすい。注意しないと転んでしまうほど。川側の壁一面は木枠の窓、今ははめられているが夏は取り外され半露天となる。

③川渡「高東旅館」。民家風の素朴な湯治宿。連絡ミスか、話が通じない。経緯を説明して何とか入れてもらう。内湯は混浴、湯舟の真ん中に形ばかりの仕切りがある。旅館は約7軒、裏道に共同浴場「川渡公設浴場」があった。

④東鳴子の馬場温泉「日石鳴子荘」。国道47号沿いに茅葺きとトタン屋根の棟が建つ。腰が直角まで曲がったおばあさんが親切な対応、囲炉裏端でお茶と漬物を出してくれた。庭に建つ物置小屋のような外湯に入らせてもらう(写真下)。コンクリートの正方形の湯舟に薬臭いヨードチンキ色の熱い湯があふれる。入っていると、幼稚園児くらいの宿の姉弟が窓からのぞいて笑っている。カメラを向けるとピースサイン、可愛いね。国道沿いとは思えない素朴な湯、とても心地良かった。

⑤~⑧鳴子は「旅館すがわら」「高繁旅館」「旅館栄泉」「ホテルますや」に入浴、8湯巡りを達成した。駅前の食堂で遅い昼食、時計を見たら午後3時半だった。観光案内所にあいさつして帰路に。さすがに体がぼーっとしている。疲れたが満足感いっぱいだった。

6月22日、入浴した8湯のスタンプが押された証明書と手拭いが届いた。添えられた手紙に「これに懲りずに、またいらしてください」とあった。懲りるどころか鳴子が一層好きになりました。


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