あふれる風景

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2020/07/07

あふれる風景~鄙びた温泉巡り

つげ義春氏の漫画、森村誠一氏の推理小説「人間の証明」、美坂哲男氏の山のいで湯行脚本などで全国各地の温泉と出会い、さまざまな「鄙びた温泉」を巡ってきた。

1980年代、女子大生などを中心とした温泉ブームが訪れ、「秘湯に行きたいけど汚いのは嫌…」などの風潮に押されたのか、各地の温泉は旅館や建物などの改修に乗り出した。代々伝えられてきた旅館、浴場などを綺麗にしてしまった。誘客には成功したものの温泉の在るべき姿や原点は失われていくばかり。湯治場、共同浴場、野天風呂など「鄙びた温泉」を求めているのに…悲しかった。焦燥感が募った。

「鄙びた温泉」が消える前に少しでも写真に残したい。サラリーマンとなった20代、本格的に温泉巡りをスタートした。そんなわがままに会社の先輩が付き合ってくれた。

あれから40年も経ってしまった。既に失われてしまった温泉もあるだろう、宿泊・入浴料金も違うだろうが、私的アーカイブと割り切り当時の思い出のままに残したい。


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